読んで詠む「季語俳句」

TAO

季語の持つ「スナップ力(りょく)」

私が思う俳句は、あまり文学的な内容を織り込まず、「季語の持つスナップ力」 で季節そのものをストレートに写生するのが良いように思います。 俳句は短いのですから余り欲張らないことです。下の蕪村の句を参照して下さい。

杜鵑草 あとは頼むぞ 時鳥

杜鵑草(ほととぎす)と言う名の秋咲く草花があります。渡り鳥の時鳥(ホトト ギス)はその花の咲くころ南へ帰って行きます。

ひらひらと 紅葉と舞うや 秋の蝶

まだ厳寒ではありません。秋の暮れの夕日を浴びながら一匹の蝶が散りゆく 紅葉と共に力なく舞っています。

荒海や 小樽へ架かる 冬の虹

舞鶴から小樽へフェリーで車を運んで2か月に及ぶ北海道大旅行をしたことが あります。あれはもう20余年前の夏のことでした。虹の彼方の追憶です。

菜の花や 月は東に 日は西に (与謝蕪村)

名句中の名句と言われています。長閑な春の風景をスナップで以て切り取って います。だから何だということを言わないところがこの俳句の秀逸なところ。 「季節スナップ」の頂点の句です。

 

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